はなの診療案内
Nose
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Nose
鼻づまりには鑑別すべき疾患が多くあります。当院ではファイバースコープを用いて、鼻腔所見をモニターで一緒に確認しながら診断いたします。
鼻風邪の初期、アレルギー性鼻炎などでみられます。寒暖の刺激、加齢による鼻粘膜の萎縮でも鼻水が増えます。
鼻風邪の治りかけでも黄色い鼻水はみられます。しかしだらだらと2週間以上続く、一度よくなったのに再燃した、頭痛、頭重感、顔面痛、歯痛、眼痛、発熱などを伴うものは副鼻腔炎のサインです。
鼻腔の前方、鼻中隔には動脈が集まる場所があります。キーゼルバッハ部位と呼ばれる鼻出血の好発部位です。この場所の粘膜炎・露出血管は、難治性の鼻出血となります。
お子さんの場合は、粘膜炎の原因となった鼻疾患の治療と露出血管部の局所治療が必要となります。成人の方は、露出血管を電気凝固することで確実な止血を得ることができます。
嗅覚は危険を察知したり、食べ物に風味や味わいを与えたり、私たちの心に直接働きかける大切な感覚です。臭い物質は、鼻の天井(嗅裂)にある嗅神経で感知されるため、鼻閉を起こす様々な鼻疾患で障害されることがあります。
昔からインフルエンザなど感冒後に一定の割合で嗅覚障害を発症することが知られていました。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、それらよりも高率に嗅覚障害を起こします。新型コロナウイルス感染症では、同時に味覚障害を起こすことが多いです。2週間以内に発症した味覚障害を伴う嗅覚障害は、新型コロナウイルス感染症の可能性があるため、診察には感染を広げないための準備が必要です。当院では他の患者さんと動線を分けた別室をご用意しますので、受診の際は先ずお電話をお願いします。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりを特徴とするアレルギー疾患です。鼻から吸い込む物質(抗原)であるヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト、スギ花粉、ヒノキ花粉、カモガヤ花粉などが原因となります。鼻から吸い込まない物質(タマゴ、エビ、カニ、ピーナッツなど食べ物)は直接の原因となりませんが、食物アレルギーにはアレルギー性鼻炎も合併しやすいです。
自分の鼻炎の原因は何か、自分は何にアレルギーを持っているか、自分はアレルギー体質かどうかを知ることが、アレルギー疾患の治療の第一歩です。
採血が苦手でない方には、採血で39種類のアレルギー検査を、採血が苦手な方やその日に結果を知りたい方には、簡単な迅速検査を勧めています。
迅速検査は、注射器を使わず指先からの簡単な採血で、20分で結果がわかるアレルギー検査です。痛みが無いので小さなお子様にもお勧めです。お気軽に相談ください。
鼻には大きな空洞(副鼻腔)が4つあり、それぞれ上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞と呼びます。ここに炎症を起こしたものが副鼻腔炎です。副鼻腔炎は、膿性鼻汁、鼻閉、嫌なにおい、顔面痛、眼痛、歯痛、頭痛を引き起こします。また持続的な鼻汁を起こすため後鼻漏の原因となります。
副鼻腔炎には色々な種類があります。副鼻腔炎が本当に有るかどうか、どの副鼻腔が悪いのか、その原因はなにか、どの程度の重症度か、治療方針はどうかなど判断するにはCT検査が最も有用です。当院では、ファイバースコープ検査、CT検査、合併症の有無などを総合的に判断し、一人ひとりに合わせた治療法を提案します。
好酸球性副鼻腔炎は、両側の鼻の中に多発性の鼻茸ができ、手術をしてもすぐに再発する難治性の慢性副鼻腔炎です。一般的な慢性副鼻腔炎は、抗菌薬と内視鏡を用いた手術でかなり治りますが、この副鼻腔炎は手術をしても再発しやすく、ステロイドを内服すると軽快する特徴があります。すなわち、ステロイドが最も有効な治療法です。しかし病気自体は、生命に危険を及ぼさないので、ずっとステロイドを服用することは避けた方が良いとされます。そのためステロイド内服を中止すると風邪などの感染を契機に鼻茸が再度大きくなり、悪い状態に戻ってしまいます。
当院では術後再発をされた方、強い鼻閉・嗅覚障害でお悩みの方には、難病に該当するか診断いたします。難病指定を受けられた方には、生物学的製剤での治療をお勧めしています。